Culture

バスケットボールを、植物の器へ。ORIGINAL ROSE × SPALDINGの陶製プランター

四つのブランドの色をまとい、100点だけ中目黒に並ぶ。植物、スポーツ、家具が交わる三日間

オレンジ色のソファの前に、赤、黄、黒、青のバスケットボールが並ぶ。近づけば、ボールではなく日本の工房で焼かれた陶器であり、黒い一つからは葉が立ち上がっている。ニューヨークのボタニカルアーティスト、Olivia RoseとSPALDING、B’s Internationalの四つのブランドがつくったのは、植物をスポーツとストリートの景色へ運ぶ100点の器だ。

オレンジ色のソファの前で白いテーブルに並ぶ赤、黄、黒、青の陶製バスケットボールプランターと、黒い器に入った植物
写真提供:株式会社ビーズインターナショナル

公式写真の中央には、低い白いテーブルと四つの球体がある。表面にはバスケットボールの溝が走り、上部の開口が花器の口になる。黒い器には植物が入り、ほかの三つはそれだけで彫刻のように置かれている。背景はミッドセンチュリーの家具。コートで手に収まる道具の輪郭が、室内では鉢、花器、道具入れ、オブジェのどれにもなり得る。

縫い目を残して、役割を替える

「CERAMIC BASKETBALL PLANTER with BOX」は、SPALDINGのバスケットボールを陶器へ置き換えた限定プロダクトだ。日本国内の工房で一点ずつ成形され、価格は税込16,500円。黒はMid-Century MODERN、黄はStyles、赤はX-girl、青はROSE BUDを表し、それぞれ20点、20点、30点、30点の計100点が用意される。色は単なる選択肢ではなく、家具、スポーツ、ファッションという四つのブランドと店舗の性格を、一つの共通した形へ載せる仕組みになっている。

球体のままでは安定しにくく、器としては扱いづらいはずだ。その不便さを消して一般的な植木鉢へ寄せるのではなく、箱と組み合わせ、ボールらしい丸みを残したところにこの企画の強さがある。植物を植えれば葉と球の線がぶつかり、切り花を挿せばスポーツ用品の記号が花器へ移る。何も入れない日にも形が残るため、植物の有無で部屋の役割が切れない。

植物を、都市の好きなものへ接続する

Olivia Roseは、ニューヨークを拠点にORIGINAL ROSEを主宰するボタニカルアーティストである。Cornell Universityでランドスケープアーキテクチャを学び、植物を装飾ではなく、空間や文化を組み替える素材として扱ってきた。ORIGINAL ROSEの公式記録には、スニーカー形の陶製プランターや、実際のバスケットボールを使う吊り鉢が並ぶ。異なるプロダクトに見えて、共通するのは植物を園芸の外側にある愛用品へ接続する考え方だ。

専門媒体の過去の取材によれば、バスケットボールプランターの起点は2017年、路上で見つけた使われなくなったボールだった。今回販売されるものは、そのボールを再利用した品ではなく、日本の工房で制作する陶器である。この違いは曖昧にしたくない。一方で、すでに役割を終えた練習球は、会場の壁面作品として使われる。販売物と展示物で素材は分かれながら、ボールの記憶を植物のいる室内へ移す発想は続いている。

鉢を選ぶことは、部屋の文脈を選ぶこと

会場にはMid-Century MODERNのヴィンテージ家具が置かれ、陶製プランターと植物、廃ボールの作品が一つの空間をつくる。ここでは植物だけが自然物として浮くのではない。ソファの張地、陶器の艶、ボールの曲線、葉の輪郭が、それぞれ異なる年代と用途を持ちながら隣り合う。鉢合わせを植物名だけで考えるのではなく、自分が暮らす家具や服、音楽の側から選び直す視点が生まれる。

球形の器は、一般的な円筒鉢より置き場所を選ぶ。葉が大きすぎればボールの輪郭を覆い、小さすぎれば口元で沈む。水を受ける構造や植え込み方法も、購入時に実物で確認したい。公式案内は鉢に用途を限定せず、花器、道具入れ、オブジェとしても提示している。最初から一つの植物を決めつけないことが、むしろ長く使うための余地になる。

中目黒で、100点だけの三日間

展示販売は2026年8月21日から23日まで、東京・中目黒のcalif art galleryで行われる。時間は各日11時から20時、入場無料。先着60点の購入者には、植物店The Bulb Bookが選んだ植物が付く。植物の種類は公式発表で特定されていないため、組み合わせは会場で確かめたい。数量と会期が限られる一方、購入を急がせるだけの記事にはしたくない。家具の前でボールが鉢に見え始める、その文脈の変化こそ実物で見る価値がある。

植物を迎えるとき、私たちは葉の形や育てやすさを先に見る。そこへ、どんな道具や文化の隣に置きたいかという問いを加えると、鉢は背景ではなくなる。スポーツが好きな人にはボールから植物へ、植物が好きな人には鉢からストリートや家具へ。入口が違う人たちを同じ器の前に立たせることが、このコラボレーションのいちばん確かな作用だ。手元の植物を撮る日にも、鉢だけでなく、その隣にある自分の愛用品まで画面へ入れてみたい。

参考リンク・出典

この記事の調査・執筆で参照した情報です。各発信元でも原文をご確認いただけます。

  1. ORIGINAL ROSE × SPALDING COLLABORATION by B’s International — 株式会社ビーズインターナショナル
  2. Botanical Practice — ORIGINAL ROSE
  3. BAPE × BODEGA ROSE Ceramic Planter — ORIGINAL ROSE
  4. Nike Hanging Basketball Planter — ORIGINAL ROSE
  5. PR TIMES利用規約 — 株式会社PR TIMES
  6. Inside ORIGINAL ROSE Founder Olivia Rose’s New York City Home — Hypebae
  7. Bodega Rose is making planters out of Nikes — i-D
  8. Sole Mates: Olivia Rose of ORIGINAL ROSE and the Nike Air Max Plus — Hypebeast

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