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花 素材 器 建築 ニコライ・バーグマン25年の「組み合わせ」

大判214ページにアーカイブと新作を収録 花 器 建築 季節が一冊で響き合う

木の梁が通る空間に、濃い緑の横材と丸い花房が段をつくる。花器の輪郭は見えず、植物と構造物の境目も簡単には決まらない。ニコライ・バーグマンが25年の仕事を一冊へまとめた写真集『KUMIAWASE 組み合わせ』が、9月1日に刊行される。目を引く一輪ではなく、花と花、素材と場所の関係にこそ、25年の造形を支えた方法が見えてくる。

木の空間に、濃い緑の横材と丸い緑の花房を段状に組んだニコライ・バーグマンのフラワーアート
写真提供:ニコライ バーグマン株式会社(PR TIMES掲載資料)

冒頭の写真では、丸い緑の花房が、濃色の横材のあいだから等間隔に顔を出す。背景には古い木の柱と建具。花を中央に集める一般的なアレンジメントとは違い、視線は上から下へ、植物から建築へと行き来する。ニコライ・バーグマンの仕事を知っていても、この一枚の前では、まず『何と何が組み合わされているのか』と立ち止まることになる。

花は、単独で完成しない

『KUMIAWASE 組み合わせ』という題名は、作家の25周年を記念して2025年に開かれた展覧会から受け継がれた。公式発表によれば、展覧会は25のフラワーアートを通して、その歩みをたどる構成だった。今回の写真集には、これまでの作品に加え、本のために新たに撮影されたフラワーアートも収録される。

本人が説明する『組み合わせ』は、異なる花材を美しく配置するための技法にとどまらない。それぞれの花への敬意を保ちながら、複数の存在が出会ったときに生まれる、新しい美しさを探す考え方だという。花、器、色、空間、季節。そのどれか一つを主役に固定しないから、見る側も関係の変化を追うことができる。

花は切られたあとも、開き、ほどけ、色を変える。完成時の姿だけを保存しようとすれば、その動きはこぼれ落ちる。写真集という形式は、一瞬を止める一方で、異なる時期と場所の作品を隣り合わせにできる。25年分のページをめくることは、作品の変化だけでなく、同じ作家が何を繰り返し、何を手放してきたかを見る行為にもなる。

大判のページが、花の尺度を変える

判型は縦340ミリ、横265ミリ。214ページの大判だ。公式資料に並ぶ写真を見ると、細い枝が器の外へ伸びる作品、密集した花弁の色面、苔や木の質感を大きく取り込んだ造形がある。小さな商品写真では装飾に見えてしまう部分も、ページいっぱいの密度で向き合えば、線、面、余白の選択として読みやすくなる。

注目したいのは、花の名前を当てることより、素材どうしの距離だ。枝はどこまで空間へ張り出すのか。丸い花房の反復が、木の直線をどうやわらげるのか。色を重ねるとき、近い色をにじませるのか、反対色で輪郭を立てるのか。植物を部屋へ迎えるときにも使える視点が、作品の中にある。

一輪挿しと大きな作品では必要な技術も場所も違う。それでも、窓枠の直線に葉の曲線を合わせる、鉢のざらつきに艶のある葉を置く、といった小さな選択には同じ入口がある。花を増やす前に、すでにある家具や器、朝と夕方の光を見直す。『組み合わせ』は、作品鑑賞を暮らしへ持ち帰るための言葉にもなる。

写真集と桐箱、二つの残し方

通常版は税込15,400円。限定の特装版は税込19,800円で、サイン入りの写真集、25枚のポストカード、特製の桐箱を組み合わせる。花の作品を、本という平たい物体へ移し、その本をさらに木の箱へ収める。内容だけでなく、保管し、取り出し、誰かに渡すまでを一つの造形として考えた仕様だ。

生花の作品は、同じ状態を長く保てない。だから写真は記録になる。ただし、記録は実物の代わりではない。重量や奥行き、植物が変化する速度は、紙面からは分からない。写真集の魅力は、その不足を消すことではなく、現場では見過ごす細部を、別の尺度で見せるところにある。大判の一ページは、花を所有するのとは違う距離で、繰り返し眺める場所をつくる。

ニコライ・バーグマンは1999年に来日し、2001年にブランドを設立した。公式発表では現在、国内に9つの店舗、フラワースクール、3つのカフェを展開し、箱根には庭園施設も持つ。25年という数字は個人の経歴だけでなく、花が贈り物、店、学び、食、庭へと置かれる場所を広げてきた時間でもある。

9月1日、花を見直す一冊

発売日は9月1日。ニコライ バーグマン フラワーズ & デザインの各店舗と、公式オンラインショップで扱う予定だ。購入を考えるなら、特装版の在庫や各店の取り扱いは事前に公式案内で確かめたい。写真集と同名の公式コレクションページには、2025年の展覧会から続く商品も並び、企画が一冊だけで閉じていないことが分かる。

部屋の植物を見慣れたと感じたら、新しい株を探す前に、隣にあるものを一つ変えてみる。器、台、布、光の向き。植物そのものが変わらなくても、関係が変われば、輪郭はもう一度現れる。『KUMIAWASE』が残すのは25年分の完成作だけではない。花を見る順番を、一輪から、その周囲へと広げるための一冊だ。

参考リンク・出典

この記事の調査・執筆で参照した情報です。各発信元でも原文をご確認いただけます。

  1. ニコライ・バーグマンの25年を一冊に。アーカイブ作品と新作フラワーアートを収録した写真集『KUMIAWASE 組み合わせ』9月1日発売 — ニコライ バーグマン株式会社 / PR TIMES
  2. KUMIAWASE 組み合わせ — Nicolai Bergmann Flowers & Design Official Online Shop
  3. フラッグシップ ストア|Nicolai Bergmann — Nicolai Bergmann
  4. Nicolai Bergmann Flowers & Design Official Online Shop — Nicolai Bergmann Flowers & Design
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