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一袋に、一つの茶畑。NAGOMIの抹茶が日本で始まる

鹿児島と静岡 二つの産地を混ぜずに包む 表示が伝える茶畑の個性

青いドレスの手元に、白と黒、二袋の抹茶が並ぶ。8月9日、世界大会へ出発した川名祐衣さんが携えていたのは、鹿児島と静岡で育ったNAGOMIの新商品だ。海外を主な舞台としてきた日本茶ブランドが、翌10日から国内発送を始める。華やかな写真の奥には、産地を混ぜない選び方がある。ブランドの色より先に、鹿児島と静岡、二つの茶畑が見えてくる。

成田空港の出発ロビーで、青いドレス姿の川名祐衣さんが静岡産と鹿児島産の抹茶二袋を手に持つ
写真提供:株式会社conatus(PR TIMES掲載資料)

成田空港で撮られた公式写真では、川名祐衣さんの濃い青のドレスと、手にした二つの袋が同じ画面に収まる。白い袋には静岡、黒い袋には鹿児島。どちらも抹茶だが、色を変えただけの二種類ではない。NAGOMIが今回前面に出したのは、異なる農園の茶を混ぜない「シングルオリジン」という考え方だ。

ブレンドの前に、茶畑を一つずつ見る

抹茶は、器に入れば均一な緑の粉に見える。だからこそ、袋の外側に何が書かれているかが、茶畑まで戻るための手がかりになる。NAGOMIの公式商品ページでは、鹿児島産と静岡産をともに「単一農園」として分けている。産地の違いを、強い優劣ではなく、まず別の入口として残す設計だ。

鹿児島の商品は30グラム、税込2,700円。農薬と化学肥料を使わずに育てたと説明され、抹茶、ラテ、菓子づくりが用途に挙げられている。静岡の商品も30グラムで、税込2,500円。こちらは品種を「おくゆたか」と明記し、有機JAS認証を取得した商品として販売する。

並べてみると、二袋から受け取れる情報の粒度は同じではない。鹿児島は産地と農法、静岡はそこに品種名と認証表示が加わる。情報が多いほうを直ちに優れていると決めるのではなく、書かれていることと、まだ書かれていないことを分けて読む。それが、生産者名を明かさない現段階の商品に対して取れる、いちばん慎重な距離だ。

二袋を同じ「有機抹茶」という一語で丸めないことも大切だ。農林水産省によれば、「有機」「オーガニック」と表示する農産物や加工食品には有機JASマークが必要になる。今回の公式商品ページで認証取得まで明記されているのは静岡の商品。鹿児島の商品は、農薬・化学肥料不使用という栽培説明の範囲で読むのが誠実だ。

海外へ開いた店が、日本の棚へ戻ってくる

運営会社の発表によると、NAGOMIは30カ国以上へ日本茶をオンライン販売し、オーストラリア・ブリスベンに実店舗を持つ。2026年6月には東京・築地に直営店「NAGOMI MATCHA -Tokyo-」を開き、8月9日に国内向けのオンラインストアを立ち上げた。二つの抹茶は予約受付中で、8月10日から順次発送される。

海外で抹茶が広がり、日本へ戻る。その流れを「逆輸入」という話題性だけで眺めるより、産地表示がどこまで細かくなったかを見るほうが、暮らしには残る。ブランド名より先に、鹿児島か静岡か。静岡なら品種名まで読む。選ぶ速度を少し落とすだけで、粉末の向こうに一つの畑が見え始める。

シングルオリジンは、飲み比べのためだけの言葉ではない。ひとつの袋に複数の産地を重ねないことで、次に同じ茶を選ぶときも、土地や品種へ戻って考えられる。植物の姿が消える加工品だからこそ、来歴を示す言葉が、葉や枝の代わりになる。

華やかな舞台で、二つの産地を手に持つ

NAGOMIは同日、ミス・ワールド・ジャパンの公式スポンサー就任も発表した。ミス・ワールド公式情報は、川名祐衣さんが2025年の日本代表に選ばれ、2026年の世界大会へ出場することを伝えている。8月9日の出発写真で本人が持つのは、国内販売を始める鹿児島と静岡の抹茶だ。

ここで写真の中心を、人物の知名度や大会の順位だけに置かない。注目したいのは、華やかな装いの中で、日本茶が伝統的な茶席の道具としてではなく、産地名の読める小さなパッケージとして携えられていることだ。服、旅、贈り物、日々の飲み物。そのどこへ入っても、茶葉が育った場所を消さない見せ方には、植物を文化へ渡す一つの方法がある。

点てる前に、袋の言葉を比べる

公式案内では、抹茶として飲む場合は粉末1〜2グラムに80度の湯70ミリリットルを注ぎ、茶筅で点てる。ラテなら2〜3グラムを少量の湯で溶き、温めた牛乳や好みのミルクを加えるとしている。味の表現だけを先に信じるのではなく、産地、品種、栽培表示、内容量を並べてから、自分の一杯を選びたい。

抹茶の緑は、どの袋でもよく似て見える。けれど、同じ色の奥にある土地まで同じとは限らない。一袋を一つの茶畑として読むことは、飲み終えるまで見えない植物の来歴を、手元へ戻す小さな習慣になる。

参考リンク・出典

この記事の調査・執筆で参照した情報です。各発信元でも原文をご確認いただけます。

  1. グローバル有機日本茶ブランド『NAGOMI』、『ミス・ワールド・ジャパン2026』公式スポンサーに就任。世界大会出場の川名祐衣さんを抹茶で応援。 — 株式会社conatus / PR TIMES
  2. 抹茶 鹿児島【単一農園】 — NAGOMI
  3. 抹茶 静岡【単一農園】 — NAGOMI
  4. Miss World Japan 2025 crowned tonight — Miss World
  5. 有機食品の検査認証制度 — 農林水産省
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