窓辺の小さな鉢で、赤や黄の球体が緑の柱の上に乗っている。二つの色は一株の自然な配色ではない。緋牡丹と呼ばれる色株を、葉緑素をもつ台木へ接いだ姿だ。RYOHAKUに加わった赤と黄の新しい組み合わせを入口に、目を引く色の下で続いている二つの植物の関係を見る。
色の上半分は、ひとりでは生きられない
緋牡丹は Gymnocalycium mihanovichii の色変わりとして流通する。赤、黄、橙の部分には、光を受けて養分をつくる葉緑素がほとんど、あるいはまったくない。そのため土へ直接植えた色株だけでは長く育てにくく、緑のサボテンへ接ぐ。鮮やかさは装飾ではなく、台木が必要であることを示す色でもある。
下の台木は光合成を担い、根から水と養分を取り込む。上の穂木とは切り口でつながり、そこを通って水分と生育に必要な資源が移る。接ぎ目は二株を隠す継ぎ目ではない。異なる役割が一つの鉢で続くための、いちばん重要な場所だ。
丸い色株と縦に伸びる台木を同時に見ると、輪郭にも役割が表れる。上は扁平な球と肋の反復、下は柱のような緑。色だけを選んだつもりでも、実際には二つの生長の向きと、接いだ高さまで含めて一鉢の姿を選んでいる。
マグの色が、接ぎ木の構造を引き出す
Fun Standardは十月二十三日、RYOHAKUのラテマグプランターに、グリーンの器と赤い緋牡丹、白い器と黄色い緋牡丹の組み合わせを加えた。税込四千九百八十円。春日井市で注文後に植え込み、通常は五〜八営業日で発送すると案内する。販売条件や納期は変わり得るため、購入時には公式店舗の表示を確かめたい。
器には緋牡丹だけでなく、異なる姿のサボテンが寄せ植えされる。組み合わせる品種は選べず、植物の大きさや形にも個体差がある。掲載写真の均整をそのまま受け取るのではなく、届く鉢はそれぞれの株が占める余白まで異なるものとして見る方が、この商品の性格に近い。
新色の面白さは、赤と緑、黄と白という対比だけではない。器の低い円筒、台木の縦線、緋牡丹の丸い頂部が順に立ち上がる。背景の色を替えることで、ふだんは一つの姿として見過ごしがちな接ぎ木の境目が、かえってはっきり見えてくる。
一鉢の中を、同じ速さで乾かさない
育てる場所は明るい間接光が基本になる。強い直射日光は色株を焼くことがあり、暗すぎれば台木の光合成を弱める。水は回数を先に決めず、用土が完全に乾いてから与え、冬はさらに控える。水はけのよい用土と、鉢底に水を残さないことが接ぎ木サボテンの土台になる。
寄せ植えでは、緋牡丹の台木と隣のサボテンが同じ表情で渇くとは限らない。上の色だけで判断せず、台木の張り、隣の株のしわ、鉢の重さ、用土の乾き方を分けて見る。高湿度と過湿は腐れや菌の問題を招きやすいため、受け皿に水を置いたままにしない。
気温が下がる季節は、窓ガラス際の冷えと暖房の風にも注意したい。資料が示す安全側の目安では、十度を下回る前に室内へ移し、凍らせない。急に強い光へ出すのではなく、置き場所を安定させて、接ぎ目と台木の変化を短い間隔で見る。
緋牡丹の赤や黄は、一株の色として完結していない。光を受ける台木、根を張る下半分、隣り合うサボテン、そして乾きを待つ育て手までが、その色を保っている。マグの縁から上を眺めるとき、鮮やかな頂部の少し下にある継ぎ目へ目を移す。そこから、この鉢の時間が始まっている。
