赤や桃色の花の写真が足元に広がり、その両側で生きた花が咲く。蜷川実花 with EiMと大成建設グループは、横浜の丘状テラスで、写真、植栽、空を一つの眺めへつなごうとしている。
写真の花と、生きて咲く花
2026年9月15日、GREEN×EXPO 2027協会は、公式クリエイターの蜷川実花が会場中央のTAISEI GREEN TERRACEを演出すると発表した。施設上部には多様な花と植物の花壇、床面には蜷川が撮影してきた花の写真が置かれる計画だ。
花壇と写真が連続する上部に対し、テラス下部では光と映像による演出が予定されている。昼は花の色と空、夜は植栽と光が別の輪郭をつくる。詳しい光の内容は今後発表される。
九十メートルの坂を歩く
大成建設が2026年3月に示した計画では、テラスへ上がるスロープは約90メートル、高さは約4.5メートル、床面積は約800平方メートル。中央広場を見渡すための丘が、そのまま花を見る道になる。
蜷川は、これまで撮影した花と、この場所で咲く生きた花を重ね、色が青や白へ移りながら実際の空へ続く構成を説明している。平らな花壇を正面から眺めるのではなく、歩く高さと向きで写真と植物の境目が変わる。
半年の会期で花壇は変わる
GREEN×EXPO 2027の会期は、2027年3月19日から9月26日まで。春から夏を越えるあいだ、写真の花は同じ像を保ち、生きた花は成長や開花の時期、天候によって姿を変える。両者の差が、この場所の時間を見せるはずだ。
ただし、植える種や品種、植え替えの順序はまだ公表されていない。完成前に見るべきなのは、写真の色に似た花を推測することではなく、植物名、開花期、日照や風への選び方が今後どう示されるかである。
水と植栽の土台も風景になる
計画には、雨水や余った灌水をためて植栽へ戻す仕組みが含まれる。花壇を長い会期に保つうえで、水の循環は見えにくいが欠かせない部分になる。
植物を専用トレーで密に育てる植栽マットも使われる予定だ。緑を早く立ち上げる技術は、植物選びや季節ごとの手入れを不要にするものではない。どの植物が根づき、どこで入れ替わるかまで含めて、完成後の花壇を確かめたい。
完成予想図と、これから咲く花
掲載した画像は、蜷川実花 with EiMとの協働内容が発表される前、2026年3月に公表された施設全体のイメージパースである。丘の形と会場内の位置を示す資料であり、9月発表の写真作品や花壇の最終形を表すものではない。
開幕したら、足元の写真だけでなく、その脇で実際に葉を広げ、花をほどく植物を見る。空の色が変わるたび、固定された花の像と、生きて変わる花の距離も少しずつ変わっていく。
