Trend

ひまわりの夜に、モリンホールとケーナ。石岡・八郷の「フラワーナイト」

灯り、手仕事、異なる土地の楽器が里山の夕暮れに重なる。8月15・16日の週末へ

黄色いひまわりの上を、照明に拾われたシャボン玉が横切る。いばらきフラワーパークは8月23日まで、開園を午後から夜へ移す初の「フラワーナイト」を開催中だ。なかでも15・16日は、八郷の手仕事とモリンホール、二胡、ケーナが花のある園路へ加わる。植物を中心に、人の歩く速度と週末の過ごし方が変わる二日間だ。

夜の暗い背景に浮かぶシャボン玉と、照明を受けて咲く黄色いひまわり
写真提供:いばらきフラワーパーク

公式の報道写真では、黒く沈んだ背景の手前に、黄色いひまわりが一列に咲いている。その間を大小のシャボン玉が漂い、丸い反射だけが宙に残る。編集部が現地で見た景色ではなく、主催者が配布した「ナイトバブル」の写真だ。だから花の香りや夜風までは書けない。それでも、植物を照明の背景にせず、遊びの視線が戻る場所として置いた構成は伝わる。

昼の花園を、13時から始める

いばらきフラワーパークが初めて園全体の夜間営業を続ける「フラワーナイト」は、8月8日から23日まで。期間中の営業時間は13時から20時30分、最終入園は20時となる。朝から夕方まで花を見る通常の流れを反転させ、来園の起点を暑さの残る午後へ、見どころを日没後へ移した。園内では花々のライトアップに加え、18時から19時までレストラン前でナイトバブルを実施。来園者がひまわりを飾るボタニカルフラワーツリーも、16時からの体験後、18時に点灯する予定だ。

大切なのは、夜の演出が花を覆わないことだ。ひまわりの黄色は暗がりで輪郭が締まり、シャボン玉はその高さを越えて動く。足元の植物、手に持つ灯り、遠くの樹木という異なる尺度が一つの園路に並ぶと、昼には花壇ごとに見ていた園を、夜は歩く順番で捉え直せる。イベントの装置は増えても、目の基準は植物の位置に残る。

ひまわりの先に、手仕事の灯り

今週末の8月15・16日は、16時から20時まで「フラワーナイトマーケット」の第2部、手仕事市「星月夜」が開かれる。夜市としては今年で3回目だが、二週間にわたる夜間開園は今回が初めて。ガラス、陶器、つまみ細工などの工芸品が並び、折り鶴ランタン、花灯りランタン、つまみ細工を作る体験も用意される。

陶器やガラスは、昼の棚で見ると素材の色や釉薬が先に立つ。夕暮れの屋外では、手の大きさ、持ったときの影、植物のそばで灯りを受ける表面へ視線が移る。ここで手仕事は土産物の列ではなく、花を見るための動作と隣り合う。ランタンを作り、園路を歩き、ひまわりの装飾へ戻る。作品を所有する前に、素材が植物のある場所でどう見えるかを確かめられる市場だ。

花の川に、異なる土地の楽器が並ぶ

音楽の組み合わせにも、この場所ならではの広がりがある。15日は16時に八郷の山の音楽隊、18時にモンゴルの弦楽器モリンホールと篠笛・尺八による蒙日音楽ユニット竹馬、19時にケーナ奏者の渡辺大輔が出演予定。16日は16時の八郷の山の音楽隊に続き、17時5分から二胡、18時からバンド、19時から歌の舞台が組まれている。

演奏を聴く前から音の印象を決めつけることはできない。ただ、八郷を名に持つ楽団と、モンゴル、日本、中国、南米に由来する楽器が同じ夕方に並ぶ事実は面白い。ひまわりや里山を一つの郷愁へ閉じ込めず、異なる土地の呼吸を受け入れる舞台になるからだ。植物園の音楽は景色を飾る伴奏ではなく、その景色がどこまで外の文化とつながれるかを試す。

八郷の夕暮れを選ぶために

8月15・16日の入園料は大人900円、中学生以下無料、ペット200円。浴衣での来園は大人料金が20%引きになる。園内の星月夜限定シールラリーは16時開始、ナイトバブルと手持ち花火は18時から19時まで。安全上、花火の持ち込みはできず、会場で販売されるものを使う。開催内容は天候などで変わる可能性があるため、出発前に主催者の最新案内を確かめたい。

花の名所へ行く理由は、満開の数だけではない。普段とは違う時刻に門をくぐり、ひまわりの高さを基準に灯りや器や楽器を見直すことも、植物と場所を知る方法になる。帰宅したあと、窓辺の一鉢をいつもより遅い時刻に眺めれば、昼には気づかなかった葉の重なりが見えるかもしれない。八郷の夜は、遠くの庭を訪ねることと、身近な植物へ戻ることを同じ週末に置いてくれる。

参考リンク・出典

この記事の調査・執筆で参照した情報です。各発信元でも原文をご確認いただけます。

  1. 営業時間・料金 — いばらきフラワーパーク
  2. フラワーナイト2026 — いばらきフラワーパーク
  3. 【初開催】夜のフラワーパークを体験する『フラワーナイト』 — 茨城県フラワーパーク指定管理業務共同事業体 / PR TIMES
  4. いばらきフラワーパーク — 観光いばらき(茨城県公式観光情報)
  5. PR TIMES 利用規約 — 株式会社PR TIMES
  6. フラワーナイト2026 — いばナビ

Related stories