株の手前では石の縁が低く、黒い粒はよく見える。右奥では縁がせり上がり、緑のすぐ脇まで白っぽい岩肌が迫る。阪急うめだ本店が公開した写真には、同じ植え込みが見る方向によって深くも浅くも見える、その高低差が写っている。
小さな口から、石は横へ広がる
HK.ROCKがこの鉢に使うのは、栃木県のみかも石。土を焼いて石に似せた器ではなく、石そのものを削って植物の居場所を設けている。黒い粒が見えるのは株の付け根のすぐそばだけで、そこから左右へは石の肩が長く続く。
石の正面には黄土色が斜めに走り、その下で灰色の筋が横へ向きを変える。そこに小さな長方形の銘板が留めてある。まっすぐな金属の縁を目印にすると、そのすぐ上の石がいかにでこぼこしているかがよく分かる。
作り手は、みかも鉢に合わせる植物としてサボテンや塊根植物、アガベを挙げている。写真の株は、長い葉を外へ張る姿とは対照的だ。短くふくらんだ緑の部分がいくつも寄り合い、それぞれのひだの頂に細い棘が光る。
本の上に置いた石
鉢の下にあるのは、濃い色の表紙と金色の背文字を持つ本だ。表紙の端はすっと水平に通っている。その上に石の下端、植え込みの縁、株の頂が順に重なり、上へ行くほど輪郭は細かく入り組む。台が平らなぶん、株の小さな起伏までが際立つ。
HK.ROCKのみかも鉢は、11月6日から8日まで、大阪・阪急うめだ本店8階のコミュニティパークに並ぶ。写真に目を戻すと、株のいちばん低いひだと石のいちばん高いところが、ほぼ同じ高さで隣り合っている。足元を囲うだけのはずの鉢が、ここでは緑と肩を並べている。
