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葉の先に、光の部屋がある ハオルチア・クーペリー

透明な「窓」から葉の内側へ。地表近くで光を受け取る、多肉植物の小さな建築

ゼリーのように透ける葉先は、飾りではない。ハオルチア・クーペリーの丸い葉を光に向けると、表面の「窓」を通った明るさが、葉の内側へゆっくり沈んで見える。南アフリカの地表近くで小さなロゼットをつくるこの多肉植物は、葉の先端を、光を受け取る入口へ変えた。透明さを眺めることは、植物の外形ではなく、内部のつくりを見ることでもある。

鉢の中で群生するハオルチア・クーペリー。丸い葉先の半透明な窓と縦に走る葉脈が見える。
写真:Abu Shawka / Wikimedia Commons(CC0 1.0)

ゼリーのように透ける葉先は、飾りではない。ハオルチア・クーペリーの丸い葉を光に向けると、表面の「窓」を通った明るさが、葉の内側へゆっくり沈んで見える。南アフリカの地表近くで小さなロゼットをつくるこの多肉植物は、葉の先端を、光を受け取る入口へ変えた。透明さを眺めることは、植物の外形ではなく、内部のつくりを見ることでもある。

透明なのは、葉の先だけ

ハオルチア・クーペリーは、南アフリカのケープ地方に自生する多年生の多肉植物だ。短い葉が中心から放射状に並び、地面すれすれに小さなロゼットをつくる。葉は青緑色で、先へ行くほどふくらみ、丸い先端だけが半透明になる。今回の写真では、鉢いっぱいに増えた株の一枚一枚に、濃い葉脈がガラス細工の骨組みのように見えている。

この半透明の部分は、園芸では「窓」と呼ばれる。窓の表面は葉の組織であり、穴が開いているわけではない。色素の濃い周囲と比べて光を通しやすく、葉の内部へ明るさを導く入口になる。正面から見ると丸い粒の集まりだが、斜めから見ると、透明な先端の下に緑の葉身が続いていることが分かる。

同じハオルチアでも、窓の形は一つではない。葉先を水平に切ったように見せる種類もあれば、三角の面をつくる種類もある。クーペリーは、先端が水滴のように丸くふくらむ。そのため、葉脈は平らな面に描かれず、曲面に沿って中心へ集まる。種類を見分ける前に、その線が平面を走るか、丸みを包むかを見ると、葉の形がつかみやすい。

透明度だけを品種の派手さとして比べると、この構造の半分しか見えない。窓を縦に走る線、線の間の曇り、葉先から緑へ戻る境目まで目を移すと、一枚の葉に外側と内側の二つの景色がある。鉢を少し回すだけで線の太さや重なりが変わるのは、窓が模様ではなく立体だからだ。

光は窓から入り、葉の内側へ散る

野生のハオルチアには、砂や小石のあいだで葉の多くを地表近くに置き、先端の窓を光の側へ見せるものがある。地上へ高く茎を伸ばさなくても、窓を通った光を葉の内側へ届けられる。小さな姿は光を避けているようでいて、実際には限られた入口から光を受け取る配置でもある。

近縁の窓を持つハオルチア・トルンカータを調べた2008年の研究では、葉の内部で光が散乱し、場所によっては入射光より高い光量が測られた。窓から入った光は真下へ一本の線で落ちるのではなく、厚い葉の内部で広がり、光合成を担う組織の明るさを変えていた。クーペリーの丸い窓を見ても、単なる透明な蓋ではなく、葉の奥行きへ光を配る構造として読める。

二つの研究は、窓の役割を否定し合っているわけではない。葉の内部で光がどう分布するかを調べることと、植物が二酸化炭素をどれだけ取り込むかを測ることでは、問うている尺度が違うからだ。光の通路は確認できても、その効果は光量、葉の向き、水分、測定時間などと切り離せない。透明な葉先を見て「なぜ」と思うとき、形と働きを急いで一対一に結ばないことが、観察を長くする。

ただし、窓を「光合成を増やす装置」と一言で決めることはできない。2000年の別の実験では、葉の窓を通る光が測定条件下の正味の光合成速度を高めるとは確認されなかった。光の入り方を変えることと、植物全体の働きが単純に増えることは同じではない。窓には、形の美しさと同時に、まだ一つの答えへ閉じない面白さが残る。

窓を見ると、鉢の中の高さが見える

写真はアブ・シャウカが撮影した栽培株で、野生地の景観ではない。それでも、葉先の窓が株のいちばん高い場所に集まり、その下に不透明な緑が沈む関係はよく見える。中心の若い葉は立ち、外側の葉は低く開く。ロゼット全体が、大小の窓を光へ向ける浅い器のようにまとまっている。

一株のなかでも、窓は同じ高さにそろわない。中心には小さく締まった葉が重なり、その周囲に成熟した葉が丸い先端を押し出し、外側では古い葉が鉢の縁へ低く開く。真上からは点の集まりに見えた窓が、横からは時間の層になる。群生株なら、親株と子株のロゼットが隣り合い、光を受ける小さな面が鉢の中で増えていく。

手元の株を見るなら、透明さの強弱だけでなく、どの葉がどの高さで光を受けているかを追いたい。朝と夕方では葉脈の影が違い、同じ葉も見る角度で白く曇ったり、奥まで透けたりする。写真を一枚撮る場合も、真上だけでなく目線を葉先の高さまで下げると、窓の下へ続く葉の厚みが写る。

ハオルチア・クーペリーの魅力は、透明であることだけではない。透明な部分と緑の部分を一枚の葉に同居させ、地表に近い小さな体のなかで光の通り道をつくっていることにある。窓をのぞくと、鉢の上に並ぶ丸い粒が、葉の内側まで含んだ小さな建築として立ち上がる。

参考リンク・出典

この記事の調査・執筆で参照した情報です。各発信元でも原文をご確認いただけます。

  1. Haworthia cooperi var cooperi 4 — Wikimedia Commons / Abu Shawka
  2. Light penetration via leaf windows does not increase photosynthetic carbon dioxide uptake in three succulent plants — Plant Biology / Elsevier
  3. The influence of epidermal windows on the light environment within the leaves of six succulents — Journal of Experimental Botany / PubMed
  4. Haworthia cooperi var. cooperi — Plants of the World Online, Royal Botanic Gardens, Kew
  5. Haworthia — North Carolina Extension Gardener Plant Toolbox