土から立ち上がったシダの新芽は、葉先を小さな渦の内側へしまっている。写真のレディファーンでは、茶色い鱗片をまとった茎から淡い緑の巻き葉がいくつも伸び、外側から少しずつ開き始めた。これは花芽ではなく、これから大きな一枚の葉になる途中の姿だ。
渦の内側で、生長点を守る
多くのシダでは、新しい葉が先端を内側へ巻いた状態で現れる。英語ではcrozierやfiddleheadと呼ばれ、展開の仕方はcircinate vernationと表現される。フィールド自然史博物館は、柔らかな生長点が巻き葉の中心に収まり、成長とともに葉がほどけると説明している。
渦は均一なばねのように一度で伸びるのではない。葉柄に近い部分が先に伸び、先端は最後まで巻いた形を残す。外側で展開した部分が光を受ける一方、まだ形成途中の組織は内側に置かれるため、一本の新芽の中に完成した部分と成長中の部分が並ぶ。
写真を見ると、最も大きな新芽では軸の外側に小さな羽片が現れ、その先にはさらに小さな渦が連なる。主軸だけでなく、これから枝分かれして見える部分まで折りたたまれているからだ。丸い先端は単独の器官ではなく、一枚の複雑な葉の設計が圧縮された姿である。
すべてのシダが同じ大きさや同じ密度の渦をつくるわけではないが、この展開は多くの現生シダに共通する観察点になる。鉢の中央から出た新芽を数日おきに見ると、先端が移動するのではなく、葉の各部分が順番に伸びていることが分かる。
一枚の葉は、地下茎から立ち上がる
開ききったシダを一本の枝だと思うと、巻き葉の構造は捉えにくい。シダでfrondと呼ばれる部分は一枚の葉で、地下や地表近くを走る茎、つまり地下茎から直接立ち上がる。地上で見える葉が枯れても、地下茎が残って新しい葉を送り出す種類は多い。
葉の基部にある柄はstipe、葉身の中央を通る軸はrachisと呼ばれる。そこから左右へ分かれる単位がpinnae、さらに細かく分かれるものがpinnulesだ。日本語では葉柄、中軸、羽片、小羽片にあたり、巻いた新芽の中にはこれらがまだ短い間隔で重なっている。
そのため、新芽がほどける過程は、葉の面積が増えるだけではない。中軸が伸び、羽片の間隔が開き、小羽片がそれぞれの向きを持つことで、初めてシダらしい葉身が見えてくる。完成した葉の細かな分岐は、渦の段階ですでに折り込まれていたものだ。
北カスケード国立公園は、シダの葉が成熟すると基部から先端へ展開し、地下の水平な茎から生えると説明する。湿り気と低い光を好む森の種類も多いが、シダ全体を一つの環境条件でまとめることはできない。まずは葉と地下茎の関係を見分けると、鉢のどこから次の新芽が出るかを読みやすくなる。
葉の裏側に、次の世代が並ぶ
巻き葉が完全に開いたら、次は葉の裏側へ回る。多くのシダでは、胞子をつくる袋状の器官が集まり、sorusと呼ばれるまとまりになる。丸い点、細長い線、葉裏を広く覆う面など、並び方は分類群によって異なり、葉の表とは別の模様をつくる。
アメリカシダ学会は、胞子嚢群が円形や列状になり、ときには葉裏全体を覆うと説明している。若い巻き葉にはまだ見えず、葉が展開して成熟するにつれて現れる。茶色い点をすべて病斑と決めず、規則的な配置か、葉の組織が傷んでいるかを分けて見る理由がここにある。
胞子は種子ではない。カリフォルニア大学バークレー校植物園によれば、発芽した胞子は小さな前葉体になり、水がある条件で受精を経て、根・茎・葉を持つシダへ育つ。鉢で目立つ葉だけを見ると隠れてしまうが、シダの生活環には、大きさも姿も異なる段階が含まれている。
新芽の渦、開いた一枚の葉、裏側の胞子嚢群は、別々の装飾ではない。地下茎から葉を送り出し、生長点を守りながら面積を広げ、成熟した葉で次の世代を準備する流れの中にある。数日かけて一つの渦を追うだけでも、完成した姿だけでは見えないシダの構造がほどけてくる。
