ユーフォルビア・オベサの丸い茎には、縦の稜と細い横縞が走る。頂部に小さな苞杯が並ぶ季節、その中心をよく見ると、雄株と雌株は別の姿を見せる。
丸さは、同じ形のままではない
Euphorbia obesaは、南アフリカのケープ地方に自生する乾燥地の多肉植物だ。Kewは本種を受容名とし、砂漠または乾燥低木地を主な生育環境としている。葉や棘で輪郭をつくらず、緑の茎そのものが光と水を受け止める。
若い株は球に近いが、年を重ねると幅より高さが出る。Ruth Bancroft Gardenは、強い光で褐色や紫褐色を帯びること、細い横縞が現れることも記している。丸くないから別種とは限らず、稜、横縞、頂部を続けて見る。
花に見える器を、苞杯と呼ぶ
頂部に集まる小さな杯状の構造は、苞杯という。縁には腺体が並び、その内側に簡略化された花が入る。大きな花弁はない。株全体の幾何学的な形と、数ミリの花の仕組みが同じ中心でつながっている。
オベサでは雄株と雌株が分かれる。雄株の苞杯には花粉をつける小さな雄花が複数あり、雌株では一つの雌花が中心から伸びる。色だけで決めず、花粉を持つ葯か、分かれた柱頭かを拡大して確かめたい。
雌株の頂部で、蒴果がふくらむ
受粉した雌花は丸い蒴果へ育ち、成熟すると弾けて種子を飛ばす。直径は最大約7ミリと小さい。花が終わったあとに頂部の丸い実がふくらんでも、病変と決めつけず、苞杯から続く位置を確かめる。
果実や花を見るために茎を傷つける必要はない。ユーフォルビア属は傷から乳液を出し、その乳液は皮膚や目に有害になりうる。植え替えや折損時は手袋を使い、乳液に触れた手で顔を触らず、子どもや動物の届かない場所で扱う。
乾燥地の数字を、水やり表にしない
自生地の年間降水量は約350ミリで、雨は晩夏から初秋に偏り、冬は乾くと植物園は説明する。この数字を日本の鉢へそのまま移すことはできない。鉢の材質、用土、根の量、気温で、同じ一回の水でも乾く速さが変わる。
次の水は曜日ではなく、鉢が軽くなったか、用土の内部まで乾いたか、茎が急にしぼんでいないかを合わせて決める。冬の低温下で湿りが長く残る場所では、回数より乾く時間を優先する。
買う前に、実生と交雑を言葉で確かめる
市場ではオベサ、シンメトリカ、交雑株が近い姿で並ぶ。KewはE. obesaに二つの亜種を認めている。販売名だけで野生型と決めず、学名、実生か栄養繁殖か、親株が分かるか、現品写真かを販売者へ尋ねる。
オベサの面白さは、完全な球を保つことではない。稜の間に横縞が重なり、頂部の苞杯が雄か雌かを示し、やがて雌株の蒴果が種子を放つ。正面の丸さを見たあと、頂部の数ミリへ視線を移すと、一株の時間が読める。
