電球の光を葉へ当てるのではなく、植物の代謝が葉や花を淡く光らせる。9月19日から22日まで、ROKU KYOTOの茶室と水庭に、自発光植物のインスタレーションが現れる。
光は 外から当たっていない
開発元のLEPは、発光する菌類の仕組みを植物の中で働かせる技術を用いる。外部から電気や発光用の基質を加えず、植物の代謝に組み込まれた反応が光を生むという。
京都府の技術紹介では、タバコとポプラで安定して光る個体を作り出した経緯が説明されている。ただし今回の展示資料は、会場に並ぶ植物の種名を公表していない。写真だけから種類を決めつけず、葉や花に現れる光そのものを見る展示だ。
公式写真では、暗い空間に伸びた枝の葉が緑色に光り、花の先端にも小さな明かりが集まる。下部の葉は暗く、枝の途中から先へ光の強弱が続くため、均一な照明とは違う植物の形が浮かび上がる。
茶室から 水庭へ
昼の「Luminescent Tea Room」は12時から16時、16時30分から18時まで。茶室に自発光植物を置き、明るさの残る時間に葉や花の発光を近くで見る構成になる。
日没後は、水庭が「Luminescent Lotus Garden」に変わる。開始は19時ごろ、終了は23時。発光する植物と満月を題材にした作品が、水面を含む屋外空間へ展開される。
LEPは、屋外を含むホテルでの自発光植物展示は国内初の試みだとしている。会場を茶室と水庭に分けたことで、同じ光を昼の近距離と夜の広がりの両方から確かめられる。
均一な照明とは 違う役目
この光は、室内を照らす完成品のランプではない。LEPは読書に使える明るさを将来目標に掲げており、現段階では植物の生長とともに続く淡い光を、空間表現へ生かす研究開発の途中にある。
アートディレクションは鎌田美樹子が担当する。ホテルの静かな庭と茶室を選んだことで、光量の大きさを競うのではなく、葉脈や花先に沿って明るさが変わる様子が作品の中心になる。
主催者は、展示する植物の取り扱いについてカルタヘナ法など関連法令に沿うとしている。会場で管理される研究開発植物であり、持ち帰ったり家庭で栽培したりする一般販売の植物ではない。
四日間で 昼と夜をたどる
展示は9月19日から22日まで、入場無料。昼は茶室で一枚の葉に寄り、夜は水庭で光の連なりを見る。植物が自ら生む淡い緑が、四日間だけ鷹峯の庭に現れる。
