銀色の穂を広げるススキに、丸いマムと青紫のリンドウ。高さも形も異なる秋の草花が揃うと、花器の中に小さな月見の景色が生まれる。2026年の中秋の名月は9月25日。月を待つ楽しみを、部屋に飾る花から始める。
今年の十五夜は9月25日
中秋の名月は旧暦8月15日の月。一方、天文学上の満月は月と太陽の位置関係で決まるため、毎年同じ日になるとは限らない。国立天文台によると、今年の満月は9月27日午前1時49分(日本時間)。9月25日の十五夜に続き、26日の夜から27日未明にかけて月が満ちる。
「名月」と「満月」の違いは、今年の月見に添える小さな話題になりそうだ。空模様を気にかけながら花を選ぶ日も、飾った穂の向きを少し変える夕方も、秋を楽しむ時間になる。
丸いマムとススキを合わせて
青山フラワーマーケットの2026年秋の特集にも、マムやススキを使ったお月見のブーケが並ぶ。菊の仲間であるマムの丸い花と、すっと伸びるススキは、形の違いを楽しめる組み合わせ。自宅で飾るなら、リンドウの青紫を差し色に添えるのもよさそうだ。
自宅で合わせるなら、マムを一輪、その後ろに少し背の高いススキを添えるところから。リンドウを低めに挿すと花に高低差がつき、穂先までのびやかに見える。これは花の姿を生かす飾り方の一案で、決まった本数や形に揃える必要はない。
光を受けるススキの穂
ススキ(Miscanthus sinensis)はイネ科の植物。冒頭の写真は兵庫県の群落で、濃い緑の葉の上に銀白色の穂が広がっている。細い毛が集まった穂は、光の当たり方によって柔らかく浮かび上がる。
花器に飾るときも、穂をすべて正面に向けず、一部を横へ傾けると軽やかな印象に。花と花の間を詰めすぎず、茎の線が少し見えるようにすると、丸いマムとの違いが際立つ。
野に広がるススキは、その場所の風景として楽しむ。部屋には花店の切り花を選べば、野外の株を傷めずに季節を取り入れられる。食卓に置く場合は、穂が料理や食器に触れない位置へ。
月を待つ部屋に秋の花を
月見のためだけに、大きな花束や特別な器を用意しなくてもいい。いつもの花器に丸い花と長い穂を合わせるだけで、見慣れた棚にも秋らしい表情が生まれる。月が見える夜は窓の外へ目を向け、曇った夜は手元の花を楽しむ。銀色のススキが、月を待つ部屋を静かに彩る。
