小さな鉢の表面に、灰色や緑、褐色の小石が並ぶ。よく見ると、その一つ一つが二枚の葉を持つ植物だ。ラトビア大学植物園は2026年9月14日から20日まで、リガのパームハウスで「Supersukulenti – dzīvie akmeņi(スーパー多肉植物―生きた石)」展を開いている。
石に見える部分は 二枚の葉
リトープスはハマミズナ科の小型多肉植物で、地表に見える丸い体は、厚く膨らんだ二枚の葉からできている。二枚は根元近くまで一体になり、中央の割れ目から新しい葉や花が現れる。
葉の上面には、半透明の模様や斑点がある。南アフリカ国立生物多様性研究所によると、この「窓」から光が葉の内部へ入り、内部の細胞が光合成を行う。石に似た色と模様は、乾いた地面へ姿をなじませる。
花は二枚の葉の間から一輪ずつ伸びる。種子の入った蒴果は水にぬれると開き、雨粒が小さな種子を運ぶ。普段は低く閉じた形のまま、光と雨が来た時だけ動きが表へ現れる。
一つの属より広い 生きた石
展覧会名の「生きた石」はリトープスだけを指していない。会場にはAloinopsis、Conophytum、Fenestraria、Frithia、Pleiospilosなど、ハマミズナ科の多様な属が集まり、サボテンや砂漠のバラも加わる。
キュー王立植物園のデータベースは、リトープス属に38の認められた種を挙げる。自生域は南部アフリカで、ボツワナ、ナミビア、南アフリカにまたがる。同じ石の姿でも、葉の窓や線、色は種ごとに異なる。
展示品はラトビアのカクタス・多肉植物協会の愛好家が育てた株で、会場では少量の販売もある。リトープスだけでなく、似た環境へ別々の形で適応した植物を並べて見られる点が、この小さな展覧会の広がりだ。
乾いた地面で 体を低くする
野生のリトープスは、石英質の礫地や乾いた斜面、平地、石灰質の土壌などに生える。葉の大部分を地中へ置き、上面だけを外へ出す形は、強い日差しと乾燥の中で光を受けながら、水分を抱える体でもある。
栽培株の人気は、野生個体への圧力にもつながる。キュー王立植物園は、園芸目的の違法採取が一部の種を絶滅へ近づけていると警告する。手元で育てる株は、野生採取ではなく、来歴を確認できる栽培由来のものを選びたい。
水やりより先に 季節を確かめる
植物園の案内は、明るい場所と控えめな水やりを勧めている。ただし、リトープスと近縁属では成長期や休眠期が同じとは限らない。名前を確かめずに一律の間隔で水を足すより、属や種、季節、葉の更新状態に合わせて専門家へ相談するほうが安全だ。
会期中は毎日10時から19時まで見学でき、9月19日12時にはコレクターによる栽培相談が予定されている。鉢の表面を急いで「石」と「植物」に分けず、二枚の葉の窓、中央の割れ目、周囲の砂礫との境目を順にたどると、生きた石の輪郭が浮かび上がる。
